まだ続くお茶談義 ― 2005/03/10 22:58
英国の午後のお茶の時間についてとりあえず長年の疑問には答えが出たが、情報を求めてサイトを巡っていたら色々と面白い話があった。いわゆるアフタヌーン・ティーの他に、ハイ・ティー(high tea)というのがある。これもやはり時間的には午後遅くで、アフタヌーン・ティーがお菓子や軽食を伴うのに対してこちらは肉類などを含む量的にも内容的にも重い、ほぼ食事と同じような内容。でもちゃんとお茶は出る(らしい)。自分が体験した限りでは現在の英国の一般家庭ではっきり区別してハイ・ティーをとっているところはあまりなさそうだが(何かの事情で食事の時間がずれたとか食事時間じゃないけどお腹が空いたので有り合わせのごはんをお茶を飲みながら食べたりするときに冗談ぽく「ハイ・ティーだね」とか言う程度)、ほぼ食事のようなものなので、昼食の後夕方あたりにこのハイ・ティーをとり、後は寝るまで食べないか夜に小腹が空いたら軽めの食事をするというパターンもあったようだ。
ハイ・ティーがあるならロウ・ティー(low tea)もあるのか?あるのだ。わたし自身はこの呼名はあまり聞いたことがなかったのだが、afternoon teaの別名がlow teaなのだそうな。このhighとかlowとかいうのは今まで量とか栄養摂取量の高さなのかと漠然と思っていたのだが、今回色々サイトを見たところ単に食卓の高さの違いと判明。low teaはコーヒー・テーブルなどを思い浮かべれば分かりやすいかと思うが、比較的低めのテーブルに供されるのが普通なのだ。侯爵夫人が自室で秘かに楽しんでいた時だって小さめのちょっとしたテーブルだっただろうし、広く習慣化した時には友人達を招いてのお喋りタイムになっていたわけだから、食卓を囲むと言うより脇に置かれた低めのテーブルにお茶やお菓子をおいてちょこちょこつまみつつ...という具合だったのだろう。対してhigh teaは肉類などが入ってくるし量も多いから脇に置いたり低いテーブルだったりでは食べ難くて仕方ないわけで、もっと高さのある普通の食卓でとることになる。
米国のホテルなどではこのhigh teaがafternoon teaと混同されているらしく、「high teaでございます」と言いながら一口サンドウィッチやスコーン、ケーキなどを恭しく出すところが多いらしい。これは古き良き英国ヴィクトリア時代のお茶の時間からイメージされる優雅さとか高級感、つまりhigh societyのhigh...と勘違いしているということなのだろうか。どこのサイトか忘れてしまったが、このhigh teaの由来を「It's high time we had something to eat.(もう何か食べてもいい時間だ)」のhighと書いてあるところも一カ所あった。そう書いてあったのは自分が見た限りこのサイトだけだったが、こっちの方が説としては面白い。まあ腹ぺこ侯爵夫人の心境はそうだったかもね。日本や中国と比べて歴史的にはずっと新しい英国のお茶の習慣だが、上流階級に広まり、更に巷にティー・ルームができ始め庶民にも普及したことで風俗の変遷、特に女性の社会進出に大きな貢献ををすることになり、お茶関連で発展した様々な生活用品やmy cup of tea (「自分の好み」という表現、"He's not my cup of tea.(彼は私のタイプじゃないわ)"などと使う)のような言い回しなど、現在の英国文化を形作る重要な要素になったようだ。
ここで8日の記事に書いたジェネシスのメンバー間の階級闘争(違)の話題にふと戻る。フィル・コリンズが貴族の『お茶の時間』の習慣に戸惑ったという話は当時からよく聞いたのだが、今になってみると当時だって19世紀じゃあるまいし、育った環境による生活習慣の違いはある程度あったとしても既に貴族はお城で召使いに囲まれて暮らし...って時代でもなく、お茶の習慣だって普通に英国庶民に行き渡って久しいわけだから、外国人でもあるならともかくちゃきちゃきのロンドンっ子のフィルにとって『お茶の時間』そのものが珍しいわけないと思うけどなー(例えばレコーディングやツアーの最中でも毎日高価な茶器を持ち込んでサンドウィッチにクリーム・ケーキにビスケットに蜂蜜パンに...とかやってたらそりゃちょっと驚くかも知れないが)、フィルが多少大袈裟に言ったか、あるいはこれも「英国の貴族階級は優雅」という日本人の固定観念と憧れで話が大きくなったんじゃなかろうかと思ったりもする。
このジェネシスのお茶関連話でやはり何度か聞いたのが、「茶碗にはミルクと紅茶どちらを先に入れるか」をメンバーが議論したという話。これはジェネシスに限ったことでなく英国民の間で今でも頻繁に論議を呼ぶ(?)話題らしい。ミルクが先の方が後から入れた紅茶と良く混ざるとか、いきなり熱い紅茶を入れて茶碗を割らずに済むとか色々聞くが、以前聞いた一説では「庶民はミルクを先に入れるが貴族は紅茶を先に入れる、なぜならいきなり熱い紅茶を入れて茶碗が割れても貴族は幾らでも新しいのが買えるから」というのもあった。そういう問題でもないと思うが。BBC Foodのサイトにはやはり昔は茶碗を割らないようにミルクを先に入れたという前提で、「ミルクが先の方が脂肪分が沸騰しないので、現在でもその方が良い」と書いてある。...余程ぼこぼこ煮立ってるお茶を注ぐわけですね。いや紅茶の入れ方なんかでは決まって「煮立ったお湯」と言うけども。他にも「ティー・ポットを薬缶のところ(=火の側)まで持って行くべきか、それとも薬缶をティー・ポット(つまりテーブル)のところまで持ってくるべきか」とか「持ち手の小さい茶碗を持ち上げる時は小指を曲げるべきか」とか、色々難しいエチケットの問題(そうなのか)があるらしい。
ハイ・ティーがあるならロウ・ティー(low tea)もあるのか?あるのだ。わたし自身はこの呼名はあまり聞いたことがなかったのだが、afternoon teaの別名がlow teaなのだそうな。このhighとかlowとかいうのは今まで量とか栄養摂取量の高さなのかと漠然と思っていたのだが、今回色々サイトを見たところ単に食卓の高さの違いと判明。low teaはコーヒー・テーブルなどを思い浮かべれば分かりやすいかと思うが、比較的低めのテーブルに供されるのが普通なのだ。侯爵夫人が自室で秘かに楽しんでいた時だって小さめのちょっとしたテーブルだっただろうし、広く習慣化した時には友人達を招いてのお喋りタイムになっていたわけだから、食卓を囲むと言うより脇に置かれた低めのテーブルにお茶やお菓子をおいてちょこちょこつまみつつ...という具合だったのだろう。対してhigh teaは肉類などが入ってくるし量も多いから脇に置いたり低いテーブルだったりでは食べ難くて仕方ないわけで、もっと高さのある普通の食卓でとることになる。
米国のホテルなどではこのhigh teaがafternoon teaと混同されているらしく、「high teaでございます」と言いながら一口サンドウィッチやスコーン、ケーキなどを恭しく出すところが多いらしい。これは古き良き英国ヴィクトリア時代のお茶の時間からイメージされる優雅さとか高級感、つまりhigh societyのhigh...と勘違いしているということなのだろうか。どこのサイトか忘れてしまったが、このhigh teaの由来を「It's high time we had something to eat.(もう何か食べてもいい時間だ)」のhighと書いてあるところも一カ所あった。そう書いてあったのは自分が見た限りこのサイトだけだったが、こっちの方が説としては面白い。まあ腹ぺこ侯爵夫人の心境はそうだったかもね。日本や中国と比べて歴史的にはずっと新しい英国のお茶の習慣だが、上流階級に広まり、更に巷にティー・ルームができ始め庶民にも普及したことで風俗の変遷、特に女性の社会進出に大きな貢献ををすることになり、お茶関連で発展した様々な生活用品やmy cup of tea (「自分の好み」という表現、"He's not my cup of tea.(彼は私のタイプじゃないわ)"などと使う)のような言い回しなど、現在の英国文化を形作る重要な要素になったようだ。
ここで8日の記事に書いたジェネシスのメンバー間の階級闘争(違)の話題にふと戻る。フィル・コリンズが貴族の『お茶の時間』の習慣に戸惑ったという話は当時からよく聞いたのだが、今になってみると当時だって19世紀じゃあるまいし、育った環境による生活習慣の違いはある程度あったとしても既に貴族はお城で召使いに囲まれて暮らし...って時代でもなく、お茶の習慣だって普通に英国庶民に行き渡って久しいわけだから、外国人でもあるならともかくちゃきちゃきのロンドンっ子のフィルにとって『お茶の時間』そのものが珍しいわけないと思うけどなー(例えばレコーディングやツアーの最中でも毎日高価な茶器を持ち込んでサンドウィッチにクリーム・ケーキにビスケットに蜂蜜パンに...とかやってたらそりゃちょっと驚くかも知れないが)、フィルが多少大袈裟に言ったか、あるいはこれも「英国の貴族階級は優雅」という日本人の固定観念と憧れで話が大きくなったんじゃなかろうかと思ったりもする。
このジェネシスのお茶関連話でやはり何度か聞いたのが、「茶碗にはミルクと紅茶どちらを先に入れるか」をメンバーが議論したという話。これはジェネシスに限ったことでなく英国民の間で今でも頻繁に論議を呼ぶ(?)話題らしい。ミルクが先の方が後から入れた紅茶と良く混ざるとか、いきなり熱い紅茶を入れて茶碗を割らずに済むとか色々聞くが、以前聞いた一説では「庶民はミルクを先に入れるが貴族は紅茶を先に入れる、なぜならいきなり熱い紅茶を入れて茶碗が割れても貴族は幾らでも新しいのが買えるから」というのもあった。そういう問題でもないと思うが。BBC Foodのサイトにはやはり昔は茶碗を割らないようにミルクを先に入れたという前提で、「ミルクが先の方が脂肪分が沸騰しないので、現在でもその方が良い」と書いてある。...余程ぼこぼこ煮立ってるお茶を注ぐわけですね。いや紅茶の入れ方なんかでは決まって「煮立ったお湯」と言うけども。他にも「ティー・ポットを薬缶のところ(=火の側)まで持って行くべきか、それとも薬缶をティー・ポット(つまりテーブル)のところまで持ってくるべきか」とか「持ち手の小さい茶碗を持ち上げる時は小指を曲げるべきか」とか、色々難しいエチケットの問題(そうなのか)があるらしい。
| とかなんとか色々お茶話は尽きないがやっぱりえらい長くなってしまったので今日はこの辺で。さーてお茶の時間にするかな、とFLO Prestigeのいちごとルバーブのタルト。 |

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