これもまた久し振りに2004/07/27 22:04


見ていた夜の民放ニュース番組。いよいよ米国大統領候補指名も間近になってきた民主党のジョン・ケリー上院議院の特集をしていた。これまで大統領選はネットで断片的に追う程度でケリー氏の実際の演説や言動などもいわゆる「又聞き」がほとんどだったので、ちょっと興味深く見ていた。のだ。が。
「名門かつエリートのケリー氏が本当に庶民の声に応えられる大統領になれるのか」その疑問は分かる。「はっきり的を射ない政策について突っ込んだ話を聞きたい」それも納得。「しかし数カ月に渡って申し込んでいる取材は全て拒否されている」まあその状況も想像できる。「だからケリー氏の娘に話を聞こう」...ふーん?「長女のアレクサンドラ・ケリーは先のカンヌ映画祭で大統領候補の娘にも関わらず超スケスケドレスを披露した大胆な女性。彼女なら父親のはっきりしない政策について我々に教えてくれるかも知れない」
..............はぇ?

いきなりの論理についていけず(′・△・`)←こんな顔になっている間にも、女性記者はケリー嬢目指してニュー・ヨークの街を行く。映画監督?であるらしいケリー嬢(カンヌにも自作品を出品していたので出席した)はまあ彼女自身「セレブ」ではあるようで、今は父親の大統領選の様子を撮影したり選挙運動のイメージアップにも貢献しているらしい。彼女の住むアパートらしき建物に到着した記者、道行く人に「アレックス・ケリーに会いたいのですが」   (′・△・`)(′・△・`)?あの、取材申し込みしたわけじゃ?「さあ、いないんじゃないかしら」と言われた記者、また別の男性に「すみません、今このビルから出てこられましたよね?アレックス・ケリーに会いたいんですが」どうでもいい、いやよくないけど呼び捨てですか。たまたまその人がケリー嬢の知り合いだったら、いやそうじゃなくても結構失礼じゃなかろうか。結局アパートは引払った「らしい」ということで更に「アレックス」を追う記者。何の催しか聞き漏らしたが何か華やかな会場の舞台に出ているケリー嬢を見つける。『いた!アレックスだ!』(←男声のナレーション)舞台下の離れたところからいきなり呼び掛ける記者。「アレーーックス、アレーーーーックス!!」       

   (′・△・`)(′・△・`)(′・△・`)...いや、あの、あなた友達か何かですか。まさか一応会場に入る許可は取っているとは思うが、あまりに名前を連呼し前に出ようとするので警備か何かの人に「下がりなさい」と言われる記者。そりゃそうだ。(ナレーション)『アメリカの報道陣は壇上に上がっているのに、日本人は上げて貰えない!』...いや、何かそういう問題じゃないのでは。更にアレックスアレックスと叫び続けてついに「出ていきなさい」と言われる記者。もっともだ。警備員さんご苦労様です。しかしやっぱり出ようとはせず、少し近くに来たケリー嬢に向かって必死に呼び掛ける。「アレクサーーンドラ!」呼び捨ては変わりないが、なぜか本人に近くなると愛称じゃなく本来の名前になった。その呼び掛けにこちらを振り向くケリー嬢。(ナレーション)『ようやく気付いてくれた!』にこやかにこちらに向かって手を振り、おもむろに舞台袖に去るケリー嬢。(ナレーション)『しかし、彼女が行ってしまう!』...もしかして笑いを取ろうとしてますか。いや真面目な話、終始アレックスアレックス叫んでる人ってうるさいファンか何かにしか見えないのでは。それとも名前を呼んだだけでお忙しいケリー嬢が「あら、アナタ日本の人ね。何か御用?」と近付いてきてくれるものと思っているのか。結局アレックス突撃取材は諦めたらしい。  というかそもそも最初に取材申し込みの努力なんかはしたのだろうか。

しかし記者はまだ諦めていなかった。結局やはりケリー氏本人に突撃することにしたらしく、遊説先かどこかで待ち構える。するとケリー氏登場、並んで待っている群集や報道陣の方にやってくる。(ナレーション)『今までになかったほどの至近距離!自ら記者に近付いてくる!』いや別に日本人記者に近付いてるわけじゃないと思うが。というかほんとに笑いを取ろうとして(以下略)。そしていよいよ記者の前にやってくるケリー氏。(ナレーション)『曖昧な彼の政策について、ケリー氏はどう説明するのだろうか?』記者「ケリーさん、ケリーさん!(そうか父親は苗字に敬称付きなで呼ぶのか)党大会への準備はどうですか?」ケリー氏「ばっちりだよ」記者「ほんとに〜?(Yeaahhhh?)」   (′・△・`)(′・△(以下略) "-eahhh?"の間ににこにこさっさと通り過ぎるケリー氏。我に返ったのか、もうどんどこ先に行ってしまっているケリー氏に再び「ケリーさん、もう一言!」と呼び掛ける記者。いや、だから、あの状況で立ち止まって外国人記者のインタビューを受けられるかどうかは別として、「いぇぁ〜〜?」言う間にもう一言くらい言えるだろうと。そもそも「党大会の準備は」なんて質問は一般的すぎて向こうだって「お元気ですか」「元気です、ありがとう」のやり取りと大差ないと判断している、つまり相手が突っ込んだ質問をしようとしているなどとは露程も思わないだろう。結局番組は世界各国を巡ってケリー一族の簡単なルーツと偉い人紹介をしただけだった。

何だか同じ日本人として滅茶苦茶恥ずかしかった「特集」だった。まあそもそも向こうは自分の名前をバーゲン・セールの呼び込みみたいに連呼してる人が日本の大手テレビ局の特派員だなどということも認識していないとは思うが。  してないよね。もう忘れてるよね。ね。