ぶらりヨコハマ2005/07/16 23:59

昨日は横浜美術館にルーヴル美術館展を観に行った。例によってふと気づけばもう18日で終わりだよ!(漠然と10何日までだったのは憶えていた)てわけで、夜8時までの開館時間延長を利用して夕方から横浜へ。みなとみらいエリアには何度か行ったが、確か知人について別の駅から歩いたりしていたので、みなとみらい線に乗るのはもしかしたら初めてだったかも。広々してあちこち青で統一されていて、横浜ぽいぞ。何だかどこかでカモメが鳴いてますよ。駅を出たらすぐ美術館。日傘を持っていたので入口横の傘置き場に預けて中へ。明るくて空間がたっぷり使ってある感じでいいなあ。建物自体は欧米のもののようにどーんとそびえ立ってはいないけど、ホールの明るさと広々感がちょっとウェールズのカーディフ国立美術館(National Museum & Gallery Cardiff)を思い出すかも。 真ん中が吹き抜けのようになっていて、三階の壁沿いがぐるっと展示室。ひたすら順路通りに移動しなくても内側の回廊から自由に戻ったり先に行ったリできる。結構混んではいたがびっちりってほどじゃないし、皆割と順序にこだわらず観ていたので「いつまでも列が動かない」とかいうストレスがない。展示室に入る前のエスカレータのところにちゃんと注意書きがしてあるだけでなく、観覧者がうっかり柵から身を乗り出して近づき過ぎたり展示フロア(回廊も)で携帯電話を使ったりするときっちり注意される。...どこかの都美術館の職員の皆さんに見せて差し上げたい。夕方だったせいもあるとは思うが困った子供連れに悩まされることもなかったし、鑑賞中も皆お互いちゃんと他の人達を気遣っているし、横浜は美術館側も一般客も大人かも。

さてコレクションだが、点数はそれほど多くなくて全部で73点。都内の美術館の企画展だともっと沢山あって観終わる頃には憔悴していることも多いので、じっくり観るにはこれくらいがちょうどいいかも知れない。展示の仕方も余裕があったし、お陰で気に入った絵のある部屋に何度も戻ってたっぷり観られた。都美術館も見倣っ(以下略)。で、個人的に気に入った絵はフランソワ・ジェラール(Francois Gerard)の『プシュケとアモル』(Cupid and Psyche)、アリ・シェフェール(Ary Scheffer)の『聖アウグスティヌスとその母、聖女モニカ』(St. Augustine and his Mother St. Monica)、イッポリット・フランドラン(Hippolyte Flandrin)の『若い娘の肖像』(Study of a Girl)、ポール・ドラローシュ(Paul Delaroche)の『ナルシス=アシル・ド・サルヴァンディ伯爵』(Portrait of Comte Narcisse-Achille de Salvandy)、ジャン・フランソワ・ミレー(Jean-Francois Millet)の『積み藁を束ねる農夫たち』(The Hay-harvesters)などなど。他にも色々いいなあと思った絵はあったが、自分の場合やはり圧倒的に肖像画が多いかも。あ、アングル(Jean-Auguste-Dominique Ingres)の『泉』(The Source)『スフィンクスの謎を解くオイディプス』(Oedipus Explaining the Sphinx's Riddle)も良かった。画面の端に描いてある白い足の裏が非常に気になったけど。スフィンクスに喰われ立て(?)の人なんだろうな...目玉の『トルコ風呂』(The Turkish Bath)もちゃんと観たけど、トルコ風呂と言うよりはハレムですな。ちょっと女性密度高過ぎてみちみちしてます。ちなみにドラローシュの肖像画のサルヴァンディ伯爵、名前がナルシスとアキレス。「美しくかつ逞しくあれかし」って親の願いがこもった名前ですか。ご本人はちょっとナサケナイけどまあいい奴的なおじさんだった。←失礼な。でも手は確かに逞しいというかでかかったかも。

特に気に入って何度も戻って観たのがシェフェールの聖アウグスティヌス母子。アングルなどに比べるとそんなに有名じゃないと思うが、二人の表情が何ともいいんだなこれが。若いアウグスティヌスの理知的でユーモアもありそうな横顔とか、母親の柔らかい表情とか、彼女が両手で包んでいる息子の手とか。二人の視線からして神様や天国の話をしているのだろうが、母子の性格や間柄を感じさせるようで何だかほのぼの。ちなみに他に鑑賞している人達は異口同音に「...そっくりだね」と言っていた。確かに。
しかし観終わって好きな絵の絵葉書を買おうかなーと思ったら、何とわたくしの好きなのはほとんどないじゃないですか。大した作品じゃないってことですか。いやでもルーヴルの所蔵品なんだからそれなりの絵なんですよね、ね(と自分に言い聞かせてみる)。仕方なくあるものだけ選んで、フランドランの『娘の肖像』とミレーの『積み藁』のA4版プリント、ジェラールの『プシュケとアモル』の葉書を購入。ミレーは大好き!というタイプの絵ではないのだが、何となく眼を惹き付けられる不思議な絵だと思う。多分光の表現の仕方とか、人物の表情が見えなくても何となくドラマと言うか「何かが起きている」雰囲気が感じられるからかも。別に特別なことが起きているわけじゃなくて、「今ここにこの人達の生活が続いてますよ」という感じかな。子供の頃実家の応接間(現在は物置き部屋と化している)にゴッホの『跳ね橋』とミレーの『落穂拾い』(確か)の複製画が飾ってあった記憶があるので刷り込みってこともあるかも知れないが。

展示を堪能した後、しばらく回廊あたりをうろうろして館内の写真などを撮る。展示スペースにも回廊にも随所に座って休む場所がたくさんあって、これもゆったりした雰囲気の理由かも知れない。ホールの写真を撮ってもいいか警備員の人に聞いたら(展示品は勿論ダメだがホールはフラッシュをたかなければOK)、一部立ち入り禁止の柵が置いてある部分もその角度から撮りたければ外しますよ、とか回ってくるたびに気を遣ってくれた。ありがとうございます警備の方。都美術k(略)。で、いやーよかったよかった、と既に暗くなった美術館前の広場をぶらぶら帰って来たのだが。  
       日傘を忘れましたよ日傘を。   気がついたのが駅のホームで、既に閉館時間を過ぎていたので仕方なくそのまま帰宅。ええ、もう一度行って来ましたよ今日。すみませーん、と入口の警備員さんに近づくと、即座にはいいいですよーと言うのでえっ入っていいですか?と確認したら、「傘ですよね?どうぞ」...一応鍵を手に持ってはいたけど、それをしっかり見てたんでしょうか。凄いぞ警備員さん。昨日の場所にそのままになっているかと思ったら、ちゃんと忘れ物として回収してあったようだったので案内所で話して返してもらう。ありがとうありがとう美術館の人。

ちなみに昼頃に行ったのだが、美術館前は長蛇の列。駅出口には「只今の待ち時間約1時間15分」と出ていた。昨日行っておいてよかった...今日は土曜というのもあるが昨日の夕方は全く並びもしなかったしね。せっかくもう一度行ったし、常設展が無料ならついでに観て来ようかなとも思ったのだが、有料だったので周辺エリア、というかランドマークタワーやクイーンズイースト辺りをひやかすことにした。いやさすがに休日だけあって賑やか。普段少なくとも一人で出かける時はできるだけ週末や休日を避けているので、何となく真人間に戻れたような気がいたしました。結局買ったものと言えば横浜土産の「ブルーダルチョコ」(←なぜかブルーのダルメシアン犬)と「赤い靴チョコ」と絵葉書二枚だったが、カフェで食べた海老のフリットのピタサンドとグリーンピースのスープもおいしかったし、気がついたらたっぷり半日遊び倒してましたよ。一人で横浜でこんなにのんびり買い物したのは(買ってないけど)初めてかも。横浜は楽しいです。これほど暑くなければもっと外をぶらぶらするのも楽しそう。

横浜美術館のホール。広々ゆったり。スペースの問題とか色々あるとは思うが、やはり美術館はこれくらいの余裕と秩序が欲しいものです。みなとみらい線で行くとすぐというのも分かったし、これからもっとチェックしてちょこちょこ行こうかと。JR線の乗車時間が長いのがやや辛いんだけども。