再結成マット・ビアンコに思うこと ― 2004/08/06 22:21
先日マット・ビアンコの話題を書いたら、今日のテレビ神奈川のSony Music Accessは彼らの特集だった。番組の選曲をしている人もバーシア好きらしく、新曲と合わせて彼女が在籍していた80年代のマット・ビアンコの曲を中心に選んだようで、見たことのなかったビデオも見られてなかなか面白かった。先日も書いた通りわたしはバーシア抜きのマット・ビアンコにはあまり興味がなかったので、実は今回公式サイトを見るまでメンバーのこともよく知らなかった。バーシアとその相棒のダニー・ホワイトがグループを離れた後二人くらいは残っているのかと思っていたが、元々メンバーは3人であとに残ったマーク・レイリー(ライリー?)が一人でマット・ビアンコを名乗っていたらしい。今回バーシアとダニーが戻って昔通りの3人組のグループになったというわけだ。
で、今回90年代のマーク一人だけの頃のビデオも流れて、これも曲は何となく聞いたことがあっても映像は初めてだったのだが、...何と言うか、こう...曲だけ聞いていた時はそれほど気にならなかったのだが、動く映像付きだと無理にラテンで男っぽくてイカしてる僕!を強調しているようで、しかしどこかついて行けてなくて必死に見えると言うか、はっきり言ってかなり野暮ったくて暑苦しい。マークの容姿そのものはまあそれなりに色男だと思うのだが、なんか子供時代は毎朝トーストにベーコンエッグにベイクドビーンズを食べて育ったロンドン下町のお兄ちゃんがいきなりラテン音楽に憧れて、派手な開襟シャツとかサングラスとかタイトなスーツを買い込んでサルサ・ディスコで毎晩ラテン系の女の子ばかり口説きまくってるような...早い話がどこか不自然なのだ。もしかして曲だけ聞いていて感じていた「悪くないけど買うほどじゃない」はこれが原因だったのかも。ところがこれにバーシア(とダニー)が加わると、曲調自体ラテン・ポップからジャズ寄りになることもあるがどこかすっと垢抜ける。バーシアはポーランド出身だがアストラッド・ジルベルトなどブラジル音楽に影響を受けているらしく、80年代のビデオなどは映像自体は時代を感じるものの曲や彼女の歌い方が醸し出す雰囲気が今聞いても小粋な感じで、ボサ・ノヴァ調のリズムが耳に心地よい。
キーボードorピアノ担当のダニーの容姿が端正で静かな感じなのと、バーシアがリードを取っているとマークは大体横でギター弾いてる&コーラスだけ(それでもノリが無駄に大きいが)なので、常にカメラ目線&俺ってカッコイイだろ笑い&俺ってこんなにラテン系で盛り上がっちゃってるぜイエー!なアピールが圧倒的に減るため、全体に訳分からん暑苦しさが薄まってタイトな雰囲気になるというのもあるかも。バーシアのスタイルが常にクールかというとそういうわけではなくて、実際「バーシア」として観た来日コンサートなどはこの人ほんとにポーランド人かい、と思うくらいのそれこそラテン系の熱い盛り上がりを見せるのだが、それでもやっぱりカッコイイ、「粋なラテン」なのだ。結論として、マット・ビアンコがお洒落で垢抜けたラテンを目指すにはマークは傍役に徹してて下さい、ということ...?
マークのファンの方すみません。
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