そんなこんなで2004/08/31 22:49


無事終了したアテネオリンピック、閉会式を観た。開会式と繋がりを持たせつつより賑やかで楽しく、歌と踊り満載でとても楽しめた(解説のアナウンサーは一人で充分だと思ったが)。開会式ではスタジアムの中心を海に見立てて水を張っていたが、今度は渦巻き文様の麦畑。この渦巻きのモチーフというのはギリシャでは重要な意味があるらしい。たまたましばらく前に知人に連れられて横浜の元町にあるギリシャ・ジュエリーの店に行った時、多くの商品がこの渦巻き文様をモチーフにしていたので不思議に思って店員さんに聞いてみたところ、ギリシャにある何とかいう河の源泉を表していて、生命の源というような意味がある...とかいう話だったと思う(NHKで中継されていた時にアナウンサーがしていた説明はちょっと違っていたようだし、自分もはっきり憶えていないのでもしかしたら記憶違いをしているかも知れないが)。

元々ケルト美術でも渦巻き文様というのはよく出てくるのでギリシャでも似たモチーフがあるのか、と興味をひかれて聞いてみたのだが、ケルトの渦巻きも自然界の営みや生命の神秘を象徴していると考えられているので、文化が違っても思想や象徴とされるものに色々共通点が見られるのは面白いと思う。そういえば体操のガラで出場選手の演技の合間の子供達の演技でも繰返し渦巻きのような水のさざ波のような照明効果が使われていたが、あれももしかするとこの渦巻きを意識していたのかな、などとも思ったり。開会式は海=生命の源、閉会式は麦畑=生命の源から発した自然の営みの結果の収穫・人間の生きる糧、とも考えられるかも知れない。出演者が古代風の扮装の人達と現代風の人達が混ざりあっていたのも面白かった。

ギリシャは歴史的経緯から今でも隣国トルコとは仲がよくない(政治的にだけでなく民衆の意識的に相当根深い嫌悪感があるらしい)が、伝統的音楽や踊りには自分が思っていたよりかなりトルコ的な要素も混ざっているようなのも興味深かった。ギリシャの人気歌手達もたくさん出てきて、わたしでも名前を耳にしたことのある人も一人二人いた。これまでギリシャ音楽も面白そうだと思いながらも全く知識がないので手を出しかねていたが、今度一枚買ってみようかな。オリンピックの後ならCD店でも「閉会式で歌った○○」とか書いてくれているかも知れないし。

観ている間にふと思い出したのだが、ギリシャ出身の世界的ミュージシャンといえばヴァンゲリス。オリンピックを題材にした名作映画「炎のランナー」(Chariots of Fire)の音楽も担当しているし、これだけギリシャの音楽を前面に押し出しているなら彼もどこかに出てきてもいいかも...と思ったのだが、結局最後までヴァンゲリスの登場はなくてちょっと残念。まあ開会式ならともかく、閉会式のあの雰囲気だとヴァンゲリスの音楽はちょっと合わないかも知れない。...そういえば開会式は最初と最後を見逃したが、そっちにも出ていなかったのだろうか。でもちょっと海外のヴァンゲリス関連サイトを回ってみたがどこにもそれらしい話は載っていないので、やはり今回のオリンピックには関係していなかったのかな。

ともあれ、放送の仕方などに色々不満はあったものの結果的にこれだけ色々観たのはずいぶん久し振りだった今回のオリンピック。日本選手もこれまでになく活躍したようだし、また四年後に期待...かな。

それにしても閉会の辞を述べたアンゲロプロス組織委員会会長、白いブラウスにピンクのパンタロン(?)がかっこいいこと。ロゲIOC会長が完全にエスコート役になってましたが。