根比べ補足 ― 2005/04/21 23:40
昨日一昨日と触れたヴァティカン法王庁のコンクラーベ関連の話題、色々と興味を引かれることが多いのでここ数日間BBCのサイトで記事を拾い読みしていたのだが、コンクラーベの儀式と言うか手続自体非常に面白い。会議の開始を報じたBBCサイトの記事には、会議場となるシスティナ礼拝堂の扉(と思われるもの)が赤いリボンと封ろうで封印されている写真が添えられていた。多分実際にこのようにされるのだろう。前法王死去の直後から掲載されていた法王選出の手順を説明した頁によると、法王の死去は世界中のローマ・カトリックの枢機卿にとって次の法王を選ぶためにローマに集合せよという合図でもあるそうだ。この枢機卿は特に人数制限はないようで、法王によって直々に指名されるものらしい。つまり新法王であるベネディクトXVI世は、まずこの世界中の枢機卿を選び直さねばならないことになる。新法王選出の期間中、教会の運営に関するほとんどの手続は中断される。それを取り仕切る役目にある枢機卿達自身が法王選出後も枢機卿でいられる保証はないので、新たに任命されるまで仕事も待つ他ないわけだ。
コンクラーベに先立って数日前から事前会議が開かれ、どのような法王を選ぶべきかについての合意と、また可能性のある候補者の利点などが検討される。この事前会議には選挙そのものには参加できない80歳以上の枢機卿も加わることができる。ちなみにこれらの決まりや手続を決める権限も法王にあり、80歳以上の枢機卿には選挙権なしと1975年に決めたのは故パウロVI世だそうだ。一般的な選挙のようなあからさまな選挙運動は禁じられているとは言え、この選挙過程はやはり非常に政治的なものらしく、事前会議で「長老」達がその後の選挙に影響を与えようとすることも実際にある模様。理論上は全ての洗礼を受けたカトリック教徒に法王になる可能性があるが、伝統的には「ほぼ確実に」枢機卿の一人がその職に就くのが実際らしい。しかしもちろんヴァティカンの皆さんは『精霊の導きによって』全てを決定するわけです。 ですね?
いよいよコンクラーベの段階になると、枢機卿達はシスティナ礼拝堂を含むヴァティカンの隔離エリア内に文字通り『閉じこもる』ことになる。このコンクラーベ(conclave)という単語そのものが『鍵によって』監禁する、という意味を持つらしい。この過程にも時間制限はなく、過去には数週間、数カ月を費やしたこともあり、その最中に亡くなった枢機卿もあったとか。あるケースでは何と3年近くかかったらしい(何してたんだ)。1271年には待ち切れなくなった大衆が選挙会場の屋根を引き剥がしたこともあったそうな。恐るべし大衆の力。というかそういう行為って天罰ものじゃないのか。ちなみに現在はこの隔離状態を破る者、または選挙過程の秘密を口外した者には破門の処分が下るらしい。
それはともかくこの完全な隔離状態は、政府など外部の介入をシャットアウトして枢機卿達が選挙に集中できるようにするという意味があるらしい。現代の場合、選挙開始前にシスティナ礼拝堂の中にマイクやカメラが隠されていないかその道の専門家が完璧にチェックする。コンクラーベの間は枢機卿達は食事や睡眠など生活の全てを隔離エリアの中で行い、TVやラジオはあらかじめ排除され、新聞や雑誌など外界の様子を伝えるものも一切禁止、むろん携帯電話も禁止。枢機卿以外で同エリア内に入れるのは同じく秘密を守り録音・録画機器などの使用をしないことを誓った2名の医師と雑用スタッフ、それに多原語で懺悔を聞くことができる司祭数名のみ。...この司祭というのが個人的に面白い。精霊の導きで選挙だけに集中しているはずの枢機卿にも色々と懺悔したいことがあるのだろうか。 あるんでしょうね、人間だもの。
コンクラーベに先立って数日前から事前会議が開かれ、どのような法王を選ぶべきかについての合意と、また可能性のある候補者の利点などが検討される。この事前会議には選挙そのものには参加できない80歳以上の枢機卿も加わることができる。ちなみにこれらの決まりや手続を決める権限も法王にあり、80歳以上の枢機卿には選挙権なしと1975年に決めたのは故パウロVI世だそうだ。一般的な選挙のようなあからさまな選挙運動は禁じられているとは言え、この選挙過程はやはり非常に政治的なものらしく、事前会議で「長老」達がその後の選挙に影響を与えようとすることも実際にある模様。理論上は全ての洗礼を受けたカトリック教徒に法王になる可能性があるが、伝統的には「ほぼ確実に」枢機卿の一人がその職に就くのが実際らしい。しかしもちろんヴァティカンの皆さんは『精霊の導きによって』全てを決定するわけです。 ですね?
いよいよコンクラーベの段階になると、枢機卿達はシスティナ礼拝堂を含むヴァティカンの隔離エリア内に文字通り『閉じこもる』ことになる。このコンクラーベ(conclave)という単語そのものが『鍵によって』監禁する、という意味を持つらしい。この過程にも時間制限はなく、過去には数週間、数カ月を費やしたこともあり、その最中に亡くなった枢機卿もあったとか。あるケースでは何と3年近くかかったらしい(何してたんだ)。1271年には待ち切れなくなった大衆が選挙会場の屋根を引き剥がしたこともあったそうな。恐るべし大衆の力。というかそういう行為って天罰ものじゃないのか。ちなみに現在はこの隔離状態を破る者、または選挙過程の秘密を口外した者には破門の処分が下るらしい。
それはともかくこの完全な隔離状態は、政府など外部の介入をシャットアウトして枢機卿達が選挙に集中できるようにするという意味があるらしい。現代の場合、選挙開始前にシスティナ礼拝堂の中にマイクやカメラが隠されていないかその道の専門家が完璧にチェックする。コンクラーベの間は枢機卿達は食事や睡眠など生活の全てを隔離エリアの中で行い、TVやラジオはあらかじめ排除され、新聞や雑誌など外界の様子を伝えるものも一切禁止、むろん携帯電話も禁止。枢機卿以外で同エリア内に入れるのは同じく秘密を守り録音・録画機器などの使用をしないことを誓った2名の医師と雑用スタッフ、それに多原語で懺悔を聞くことができる司祭数名のみ。...この司祭というのが個人的に面白い。精霊の導きで選挙だけに集中しているはずの枢機卿にも色々と懺悔したいことがあるのだろうか。 あるんでしょうね、人間だもの。
![]() | 長くなりそうなので今日はこの辺で、ということでアボカド(真ん中の木。買ってきたアボカドを食べた後の種を植えておいたら育ったらしい)と南瓜など。そう言えばズッキーニもナス科なので南瓜の仲間なのだなあ。はっきりした黄色を使ったせいもあってか以前とはちょっと違った雰囲気で個人的に気に入っていた絵。しかしやはり撮り方が下手で歪んだお陰で妙なトリミングになってしまった。てなわけで明日も根比べ話が続きます。 |
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