The China Syndrome ― 2005/04/28 23:33
昼間にたまたまTVをつけたら、チャイナ・シンドローム(The China Syndrome)をやっていた。ジェイン・フォンダ(Jane Fonda)、マイケル・ダグラス(Michael Douglas)、ジャック・レモン(Jack Lemmon)出演の1979年作品で、原子力発電所の事故を扱ったもの。個人的に子供の頃からTVの洋画枠はよく観ていたので、昔一度観たことがあるのかも知れないが、だとしても当時は原子力発電所そのものがどういうものかもよく分かっていなかったし(今だってよく分かってないが)、空港シリーズとかビル崩壊とか当時ハリウッドで多く作られていたパニックもの映画の一つくらいにしか思わなかっただろう。が、現在仕事で原子力業界関連の記事を扱っているのもあって、興味が出て最後まで観てしまった。以下、観たことなかったのでこれからレンタルでもしてみようかなっと思う方は多少内容について触れているのでご注意。
電力会社幹部の強欲さと無理な経費削減が原因で設備に致命的な欠陥が生じたのに会社(と発電所所長)はそれを隠ぺいして運転を続けさせたり、内部告発しようとした技師が制御室に銃を持って立て籠ったのを経営者側が特殊部隊(?)のようなのをこっそり呼んで事が暴露される前に射殺しようとしたり、とかいうのは余りに極端で単純なハリウッド風善玉悪玉の構図だなあとは思うけれども、現実世界でも操業上の経営側と現場側の立場や見解の相違というのは幾らもあるようだし、実際に何か細かい不具合や不手際があっても当初は見過ごされて定期検閲などで後から判明するという記事も多く見ているので、決して単なるフィクションとは片付けられないだろうなあとも思う。実際に映画封切直後にたまたまスリーマイル島(Three Mile Island)の悪名高い発電所事故が起こったそうなので、今更ながら当時はさぞかし大騒ぎになったのではと推測。
ちょっと印象的だったのが、欠陥に気づき独自に調査して事実を明らかにしようとするジャック・レモンが演じる発電所技師の「私はあの発電所を愛しているんだ(I love that plant)」という台詞。そのお陰で毎日の電力が供給されているとは言え一般市民の日常生活に直接馴染みのない設備なので、愛しているとか言われると一瞬「は?」と思ってしまうのだが、考えてみれば長年務めてきた会社に愛着を感じて「この会社を愛している」というのと同じわけだし、特に技師ともなれば自分達の手で作り上げて運転している設備なわけだから何の不思議もない台詞なのかも知れない。映画の技師の場合施設に愛着があるからこそあえて不正を正そうとしたけれども、現実の場合(映画の強欲悪者社長とか発電所長のようではなくても)その愛着のためにすぐに設備を停止させるのをためらったり、あるいは大事にしなくても現場で何とか処理できると判断する人もいるかも知れない、と思うとやはり怖い。自分が仕事で扱っているのは特に専門的なものではなく業界ニュースのようなものだし、以前よりは多少知識が増えたとは言え非常に中途半端なものなのだが、個人的には人間は『事が起こった』場合に扱い切れないような、自分の手に余るようなものに安易に手を出すべきではないのではないか、ということはこの数年特に感じる。
とか何とか言いながら自分を振り返ってみると、つい数日前にもネット回線が繋がらなくなって右往左往したばかりじゃないですか。そもそも基本的になぜPCが動くかも分からないまま使ってるわけだし。思いっきり手に余るものに安易に手を出してますな。説得力ないなあ。えーと、とりあえず映画としてはジャック・レモンはやっぱりいい俳優だなあと...おじさん万歳。(←結局それか)
作品そのものは、これだけ原子炉ががこがこ振動して装置がばったり倒れたりしたら少しくらい放射能が漏れてるんじゃなかろうかとか、制作側は明らかな反核映画として作ったらしいけども、問題の根本原因はシステムの不安定性とか原子力の利用そのものにあるんじゃなくて極悪経営者ってことになると今一つ『反核』メッセージとしては的外れで説得力に欠けるんじゃなかろうか(監督は電力会社は尽く悪人の巣窟と思ってるのかも知れないが)とか、色々疑問は残る映画ではあるかも。あとは発電所長、ヘルメット似合わなすぎです。
電力会社幹部の強欲さと無理な経費削減が原因で設備に致命的な欠陥が生じたのに会社(と発電所所長)はそれを隠ぺいして運転を続けさせたり、内部告発しようとした技師が制御室に銃を持って立て籠ったのを経営者側が特殊部隊(?)のようなのをこっそり呼んで事が暴露される前に射殺しようとしたり、とかいうのは余りに極端で単純なハリウッド風善玉悪玉の構図だなあとは思うけれども、現実世界でも操業上の経営側と現場側の立場や見解の相違というのは幾らもあるようだし、実際に何か細かい不具合や不手際があっても当初は見過ごされて定期検閲などで後から判明するという記事も多く見ているので、決して単なるフィクションとは片付けられないだろうなあとも思う。実際に映画封切直後にたまたまスリーマイル島(Three Mile Island)の悪名高い発電所事故が起こったそうなので、今更ながら当時はさぞかし大騒ぎになったのではと推測。
ちょっと印象的だったのが、欠陥に気づき独自に調査して事実を明らかにしようとするジャック・レモンが演じる発電所技師の「私はあの発電所を愛しているんだ(I love that plant)」という台詞。そのお陰で毎日の電力が供給されているとは言え一般市民の日常生活に直接馴染みのない設備なので、愛しているとか言われると一瞬「は?」と思ってしまうのだが、考えてみれば長年務めてきた会社に愛着を感じて「この会社を愛している」というのと同じわけだし、特に技師ともなれば自分達の手で作り上げて運転している設備なわけだから何の不思議もない台詞なのかも知れない。映画の技師の場合施設に愛着があるからこそあえて不正を正そうとしたけれども、現実の場合(映画の強欲悪者社長とか発電所長のようではなくても)その愛着のためにすぐに設備を停止させるのをためらったり、あるいは大事にしなくても現場で何とか処理できると判断する人もいるかも知れない、と思うとやはり怖い。自分が仕事で扱っているのは特に専門的なものではなく業界ニュースのようなものだし、以前よりは多少知識が増えたとは言え非常に中途半端なものなのだが、個人的には人間は『事が起こった』場合に扱い切れないような、自分の手に余るようなものに安易に手を出すべきではないのではないか、ということはこの数年特に感じる。
とか何とか言いながら自分を振り返ってみると、つい数日前にもネット回線が繋がらなくなって右往左往したばかりじゃないですか。そもそも基本的になぜPCが動くかも分からないまま使ってるわけだし。思いっきり手に余るものに安易に手を出してますな。説得力ないなあ。えーと、とりあえず映画としてはジャック・レモンはやっぱりいい俳優だなあと...おじさん万歳。(←結局それか)
作品そのものは、これだけ原子炉ががこがこ振動して装置がばったり倒れたりしたら少しくらい放射能が漏れてるんじゃなかろうかとか、制作側は明らかな反核映画として作ったらしいけども、問題の根本原因はシステムの不安定性とか原子力の利用そのものにあるんじゃなくて極悪経営者ってことになると今一つ『反核』メッセージとしては的外れで説得力に欠けるんじゃなかろうか(監督は電力会社は尽く悪人の巣窟と思ってるのかも知れないが)とか、色々疑問は残る映画ではあるかも。あとは発電所長、ヘルメット似合わなすぎです。
![]() | この季節の限定おかず、ふきみそでございます。うちの田舎では『ふきみそ』と呼ぶけれども同じような名前で商品になって出回っているものとはちょっと違うので、誤解がないように言うと『ふきのとうの味噌白あえ』かな。豆腐が入っているのであまり長期保存はできないけどふきのとう好きにはたまりませんことよ。自分はとにかくふきのとう大好きなので、ご飯と一緒に食べる他にもパスタに使ったり野菜につけたりパンに載せたりとにかく何にでも使ってます。 |
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