The Chieftains ― 2007/06/24 23:59
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今日は朝から雨だけど昨日の空の写真。えー天気やなあと見上げていたら虹色に見える雲を見つけたので慌ててカメラを出したが、撮った時には既にほとんど分からなくなっていた。中央の白い雲の右下辺りが虹色だったんですが。彩雲(さいうん)と呼ばれる、千切れ雲が出ている時などにはよく見られる雲の水滴の反射によって起こる現象らしい。雲は見ているうちにも次々変化したので、あっという間に下の状態に。てなわけでただの千切れ雲写真その1、その2になってしまった。彩雲は昔は吉兆とされてたけど結構ありふれた現象だそうな。普段天気情報に利用しているWeathernewsの「実況天気」を見ていると、気象に詳しい一般のレポーターの皆さんのお陰で普段見ている現象の名前が色々分かって楽しい。レゴ不在の間はNHKニュースの高田さん(夜〜深夜の最終ニュース担当の予報士さん)にお世話になりました。 |
Macの不調に伴うイロイロで書く暇もなかったけれども、ちょうど二週間前の日曜日はElectric Animalのふかじまさんとザ・チーフタンズ(The Chieftains)のコンサートに行っていたのだった。ハープ担当のデレク・ベル(Derek Bell)が2002年に亡くなったことなどもあって、6年振りの来日。フィドル(ヴァイオリン)のショーン・ケーン(Sean Keane)が来日直前にドクター・ストップがかかったとかで(しくしく)結局元々のチーフタンズのメンバーはリーダーのパディ・モローニ(Paddy Moloney)、フルートのマット・モロイ(Matt Molloy)、バウロンと歌のケヴィン・コネフ(Kevin Coneff)の3人というちょっとサミシー情況だったが、元々音楽ジャンルの性質的に他の歌手とかダンサーとかゲストが多いので、一旦始まるとサミシーどころの話じゃない盛り上がりなのだった。デレクの後任として2003年からトリーナ・マーシャル(Triona Mashall)が一応(?)正式メンバーとして参加しているというのを初めて知りました。ソロ奏者だとばかり思っていたのでちょっとびっくり。道理でプランクトン(昔からケルト系ミュージシャンの来日公演を一手に扱っている。今では自社レーベルも持っているらしい)がソロコンサートとか何かをやたらと後押ししていたわけだ。「チーフタンズに認められたハープ奏者」てわけね。
他のゲストは、これも「チーフタンズに認められた」らしいグループリアダン(Liadan、ゴールウェイの大学で伝統音楽を専攻したとかいうお嬢さん方のグループ。かわゆい。)、カナダの「ピラツキ兄弟(John and Nathan Pilatzke、上の↑トリーナ・マーシャルのリンク参照)」、ダンサーのポーラ・ゴールディング(Paula Goulding)、元ちとせなど。個人的にはピラツキ兄弟がえらい印象強かった。ジョン・ピラツキ(外見的にはこっちが兄っぽい?単に髭生やしてるので年上に見えるってのもあるけど)がアイリッシュ系音楽ではよくあるフィドラー兼ダンサーなので、来日できなかったショーンの代わりも務めていたのだが、ダンス専門の弟(仮)ネイサンがなんか面白い。
アイリッシュのステップ・ダンスの場合は背筋を真直ぐ伸ばし脚を高く蹴り上げるのが基本なので、しゃきーん!ひらりひらり!て感じで颯爽とに舞台に飛び出してくることが多く、衣装も女性なら短いスカートにタイツ、男性もタイトな黒パンツにシャツなどの軽快な服装が多い気がするのだが、このネイサンくんはごくごくフツー、というか素朴なそこらへんのにーちゃん的な格好で、猫背気味に舞台袖からとぼとぼ出てくる。あんまりフツーに出てくるので誰このにーちゃん?と思っているといきなりがむしゃらにだかだか踊りだす。びっくり。そそそうかこの人ダンサーだったのね、と思っていると今まで知らん顔してフィドル弾いてた髭のにいちゃんがやおら立ち上がって一緒に踊りだす。ダブルびっくり。ダンスのスタイルは、アメリカンのタップ・ダンスが更にラフになった感じ?アイリッシュ・ダンスが米国に渡ってより動きが柔軟なタップ・ダンスに変化して、というのはリヴァーダンス(Riverdance)なんかでも見せていたけれども、ミソはこの弟(仮)のとぼとぼ歩きといきなりがつがつ踊りですな。勿論二人とも技術は凄いんだけど、垢抜けなさ(ごめんよ)とのギャップが微笑ましいと言うか。多分その辺りも計算した上での彼ら独自のスタイルなのであろう。ちなみに最初聞いた時「ピロシキみたいな名前」と思ったのは内緒。ふかじまさんは「ぴらぴらがついてる?」と思ったらしいです。←言いたい放題の人達
Riverdanceにも参加していたらしいポーラは、正統派のアイリッシュ踊り。カッコイイねえ。これがワイルドわちゃわちゃタップ(いや、カッコイイのよこれも)のピラツキ君達とちょこちょこ絡むのもまた微笑ましかったり。リアダンのメンバーも踊ってました。元ちとせは最近チーフタンズと2曲ほど共演したとかいう関係で出演したらしいが、...何と言うか物凄く独特な方ですね。話してると普通の感じだねーと思って油断(?)していたら、曲が始まった途端不思議な踊りを...(ふかじまさんによるといつもあんならしい)歌い方が独特過ぎて一瞬英語の歌詞だということを認識できなかった。あれは発音がどうとかじゃなくて彼女のスタイルがあれなんだろうと。カルロス・ヌニェス(Carlos Nunes)とか他の(プランクトンが招聘元の)コンサートでも毎回思うけど、こういうゲスト参加ってやっぱり何だかなあ。勿論彼女が実力がある人なのに異論はないけど、あくまでもチーフタンズのコンサートなのに雰囲気が完全に異質になってしまうと言うか。日本のミュージシャンが次々ケルト系の人達と(アルバムや何かで)共演しているのも、多分プランクトンが働きかけているんじゃなかろうか。この日とは別のもう一回の東京公演では、彼女に加えて和太鼓奏者の男性も出演するのが分かっていたので、二人よりは一人の方がまだ耐えられるだろう(失礼。単体で観たら勿論楽しいと思う)とこっちの日にしたのだが、観る側としては正直この「何が何でも日本人ゲストを入れる」制度は切実に止めて頂きたい。日本人に限らず、メインの流れをばっつり切っちゃうようなゲストってことですが。 かわゆかったけどねちとせちゃん。
あとは、確か前回来日の時にも出現(出演と言うよりはいつも曲の途中で「出現」て感じの出方のような)していた東京スコティッシュ・パイプ・クラブ(だったかな)の人達(日本人だけどちゃんとあの正装)と、あとはえーと、東京アイリッシュ・ダンシング・チームだっけ?...これがある意味驚きました。4,5人のお嬢さん方が出ていらっしゃったのだが、先頭の一人はどこかの民族衣装っぽい服で可愛いなと思ったら、続く2人くらいがなんかもう物凄い衣装。いや、ちゃんと組み紐模様なんかのケルトっぽい模様がついてたりはするんだけど、びかびかきらきら、ぶわっと開いたピカキラ模様入りの膝上くらいのスカート、お揃いのヘアバンド(?)まで。まあ、ケルト・デザインでも現代のものは目が痛くなるようなピンクとか蛍光色とか派手派手な色使いのものは多いし、Riverdanceなんかでも公演を重ねる度になんじゃこりゃーってくらいピカピカな衣装も出てきたみたいだけど、このお嬢さん方のはダンス衣装というよりは、うーんと特撮なんかの「ナントカ少女戦士」みたいな...基本的に皆ばらばらな装いで凄かったのは2人くらいなので、あれはそれぞれの好みで選んだ衣装なのか。ダンス衣装店とかでああいうのが販売されてるんだろうか。自作だったら怖い。見た感じでは後ろで演奏していたチーフタンズのメンバーもちょっと驚いていたような。パディは(どこまで本当か分からないけど)「バックステージで『東京アイリッシュ・ダンシング・チームが出ます』てメモを渡されただけだったのでnice surpriseだった」て言ってたけど、「嬉しい驚き」てよりはどっちかと言うと taken aback(ギョッとする、動揺する)て様子に見えたのはわたしだけですか。
何はともあれ、楽しい夕べでした。次はショーンも元気に来日できるといいな。入場する時にばさっと貰った今後の公演や何かのチラシ、特に興味を惹かれる公演もないようだし重くて邪魔だなぁと文句を言いつつ、とりあえず持ち帰って古紙回収に出すか...と帰途の電車の中で何となく見直していたら、カルロス・ヌニェスが秋に単独(バンドは一緒)来日!というチラシ発見。まだ詳しい日にちは決まっていないらしいが、最近それこそ変な企画ものとか何かの抱き合わせ来日ばかりで行きたくても行けない情況だったので、これは行きたいぞ。ちょっと楽しみが増えました。
![]() | 公演後、会場のすみだトリフォニーホール近くのビルに入って夕ごはんを食べた「ニャーベトナム」のカウンタ席で睨みをきかしているカエル。他にも何体かいて、どうやらそれぞれ楽器を持っている模様。これは木琴だか鉄琴?とハンマーらしきものを持っている。春巻きとかフォーとか蓮茶とかどれもおいしゅうございました。そして全員現地の方らしいスタッフのお嬢さん方が皆アオザイが似合ってかわゆい。オーダーの取り方が今一つ不思議だけど。こちらのお願いします、という合図に明らかに了解の仕種をしてるのに、先に別のお客を案内したりふ〜っと奥に入ったり。一旦来てくれると丁寧でいい感じなので、「応対が悪い」とはまた違うんだけど。何か日本とは違う独特の優先順位があるのかベトナム。 |
で、あー楽しかったしおいしかった、と帰宅したらMacが沈黙しちゃったわけですが。しかし、それまでで一番深刻な事態(ていうか何をどうしてもうんともすんとも言わない行くとこまで行った事態)だったのに特にがっくり落ち込みもせず「あーしょうがないなぁとりあえず明日の朝にサポートに電話だね」くらいで落着いていられたのは、チーフタンズのおやじパワーで幸せになっていたからかもシレヌ。ありがとうチーフタンズ。
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