納得行かない人達2005/02/21 23:12

スペインのラジオ局を聴いていると欧州の他の国のヒット曲もちょこちょこ聴けて楽しいが、もちろん英米のヒット曲も流れる。ただ自分が聴いているカナル・フィエスタの場合基本的にはスペイン国内のポップ・ロック・歌謡・フラメンコが大半なので、英米のものは既に相当人気のあるミュージシャンのヒット曲か、あるいは何かのきっかけでスペインで再ヒットしていると思われる昔の曲などがかかる。その中で最近驚いたのが英国はグラスゴー(Glasgow)のグループWet Wet Wetの新曲らしい"All I Want"。何が驚いたって、最初に曲を聞いた時誰だか全く分からなかった。だってリード・シンガーから違うし。いやそれはともかく曲がもう、何と言うか、えー...米国アダルト・ロック...じゃない、カントリー歌手の出したポップ曲...でもない、何だっけほら、トラヴェリング・ウィルベリーズ(Travelling Wilburys)とか...あ分かった、ロイ・オービソン(Roy Orbison)だ(涙)。"Pretty Woman"とか若い頃のじゃなくて晩年のにこにこしながら歌ってるようなあんなんです。

ロイもウィルベリーズもそれなりに好きではあるが、Wetx3がそっち行っちゃうのは(いや本人達はどういうつもりか分からないが)どうもちょっと。元がソウル音楽に影響を受けた人達だし、ロイ・オービソンやその周辺だってルーツはそうだからかけ離れてはいないわけなんだろうけども...まあWetx3に???と思ったのは今が最初でもないのだが。デビューが'80年代半ば過ぎで、最初のシングル曲"Wishing I was Lucky"がそりゃもうかっこよかった。小気味良いリズム・ラインに独特の切れと深みのある歌声、ぴしっとまとまったコーラス。まだそれほど色々英米の音楽を幅広く聞いていたわけではなかったが、ソウルっぽいけどもっとポップですかっと若々しくて、こういうのをブルーアイド・ソウル(blue eyed soul)と言うんだな!とある種開眼させられたというか、衝撃という程ではないけれどもとにかくかっこいいなあ、と思ったのだった。アルバムのタイトル"Popped In Souled Out"(音楽のポップ(pop)とソウル(soul)をpop in(ちょっと立寄る)とsold out(売切れ)に引っ掛けた)というのも当時は非常に粋に思えた。

ところが、そのアルバムから何曲かそれなりのヒットを出した後何となくグループは(少なくとも日本では)鳴りをひそめ、どうしたのかなーと思っていたら数年後にいきなり映画絡みの(ヒュー・グラント(Hugh Grant)主演のFour Weddings and a Funeral)とろとろ〜んなバラード曲でヒットを飛ばした時には何だか様変わりをしていて、その後しばらくちょこちょこヒットする曲もほぼ全てバラード、あの"Wishing I was Lucky"のノリとキレはどこへ?このお洒落なバーかレストランで流れてそうな曲の数々は一体何?いわゆるワイン・バーのBGMバンドに鞍替えなさったんですか?と非常に物足りなさを感じていたのだった。で、ここ数年また話題を聞かないなあと思っていたら今回また久し振りに驚かされたわけだ。

上の公式サイトを見てみたところ、今回の曲は昨年夏に発売されたベスト・アルバムに入れられた新曲のうちの一曲らしい(てことは英国ではもっと早くヒットしていたのかも)。驚いたのはこの新曲を録音するまで意見の相違や何かが原因の不和で実質的に解散状態だったらしく、7年間グループとして集まったこともなかったとか。それぞれ音楽界や全く違う業界で忙しくしていて、昨年久し振りにメンバー4人が集まって活動再開という運びになったらしい。サイトを見る限り一時的復活ではなく旧交を温めあっている状態でステージ活動にも意欲的なようなので、今後はまたオリジナルのアルバムも期待できるのだろうか。メンバーが変わっているわけでもないので、今回の新曲は珍しく普段のリード・シンガーのマーティ以外の誰かがリードを取っているという...いや、えーとそうそう、活動再開は誠にめでたいのだけども、それで出た新曲がロイ・オービソンなのが納得行かないわけで(←話がずれてたことに気付いた)。しかし公式サイトでさわりが聞けるそのベスト・アルバムに入っている曲もほとんどがバラードだし、デビュー・アルバムの"Wishing..."とか"Sweet Little Mystery"のようなちゃきちゃきしたメリハリの効いた曲はもう作らないのかな...確かにマーティの声はバラードでも聞かせるし、コーラスも綺麗ではあるけども...折角活動再開なのに。勿体ないなあ、と思うのは自分だけですか。

というか今1stアルバムの歌詞カードを見たら最後に"We are first and foremost a soul band(僕達は何よりもまずソウル・バンドなのです)"と書いてあるではないか。 ソウル..."All I Want"がソウル..."Love is All Around"がソウル...考えてみたら、Wetx3でこれだよ!と思ったのってはっきり言ってデビューの時だけだ。しかし当時の印象が鮮烈だっただけにその後のワイン・バー化がどうしても納得行かない。あの時の感動をどうしてくれるんですか。

普通モードで撮ったら暗ーい建物になったので『夜景モード』で撮ってみた...らやっぱりこんなことになった東京駅。幻想的で綺麗ですね。とは誰も思いませんね。ぶれないように気をつけてはいるつもりなのだが。シャッターを押した後もしばらく動かさない方がいいのかな...