urban life2009/05/17 23:58

ドイツの本社から日本支社に今年の年末まで長期出張中の友人Sが、それまでは出張の度に部屋を借り直していた(ので毎回広かったり狭かったり3階だったり11階だったり)マンスリーマンションから一般マンションに移ったので、土曜日にそのお披露目というかいわゆるハウスウォーミング・パーティにお呼ばれしてきた。先々月辺りにマンション探しに入って、一番最初に見た不動産サイトの一番最初に見た物件を見学してみたらこれが良かった!もう絶対ここここここに決めた!ここに住めなかったら僕泣いちゃう!状態だった彼(4月5日の記事・最後の方の話題参照)、無事会社にOKを貰って(家賃は最終的に会社負担)二週間前から住み始めたのだった。

この部屋というのが都心のシティマンションの最上階の14階、メゾネットタイプバルコニー付き、という豪華版。本人からして「いやーもうほとんどペントハウスだよね。贅沢なのは承知してるからあまり皆に言わないでね。イヒヒ(←あからさまに言って欲しそう)」とか浮かれていたが、今日初めて現物を見たら確かにこりゃ浮かれるわ。集まったのはSが日本に来てからできた友人、その友人、更にその友人だけど実は偶然にも最初の友人と知り合いだった人、Sのマンションのご近所さんとかそんな感じで、時間を追って一人二人と増えつつ全部で10人。...結構集まったね。←数えてみて知った。今思えばS以外は全員日本人だ。  え、今頃思うな?

一階部分は玄関とトイレ、物入れ、寝室で、二階部分が居間と食堂・台所にバスルーム。収納スペースがかなり多いのが大変羨ましい。一階は今日運び込んだばかりというベッド(二年ほど日本に住んでいて帰国するフランス人からお安く買い受けたセミダブルサイズ)やマットレスやらでわやわやしていたが、二階はもうすっかりいい部屋になってますよ。


というわけで二階の居間。何ですかこのモデルルームみたいな居間は。


居間その2。もっと引いて撮ればよかったんですが。棚の上段左寄りにあるオブジェのようなもの(黒い籠みたいなのの隣にある)はわたしがお土産に持っていった日本酒(田舎の地酒)。別に綿風呂敷を買って一升瓶包みにしたものを風呂敷ごとプレゼントにしたら「解くのが勿体無いからしばらく置いておく」とこの位置に。風呂敷の柄がたまたまモノトーン基調の部屋と妙に違和感なくてますますモデルルー(以下略)


居間と同じスペースの食堂部分。余裕の広さ。ちなみにテーブル&椅子&皿類はIKEAだそうな。元々デザインはいいものが多いし、テーブルもシンプルだがしっかりして安っぽい感じではないので、IKEAの家具も選び方と使う場所がよければこれだけかっちょよくなるという見本のような。ランチョンマットは無印、ワイングラスは合羽橋で1個¥500だそうです(皆で聞きまくった)。買い物上手ー。にしてもやっぱりモデルr(略)。奥の台所で働いているのが家主のS。


既に暗くなっていてバルコニーの写真はうまく写らなかったが、何と東京タワーが見える。ていうか都心の主要スポットは大抵見渡せる。天気のいい日には富士山まで見える。板張りのバルコニーはこれまた余裕の広さで、既にSは色んな種類の花を買ってきて大きな鉢に植え変えたのを幾つも置いていた。ここに一つオリーヴの木を...(ぶつぶつ)後で分かったが、このバルコニーの真下に大体同じ広さで友人の部屋の半分の室料(メゾネットタイプではないので基本ワンルームと思われる)の部屋があるらしい。天気が良ければここでバーベキューをする予定だったのだが、昨日はあいにく今にも雨が振りそうだったのでパスタ会に変更になった。しかし既にバーベキューセットとガーデンテーブル・チェア(二組from IKEA)を揃えている友人。 食器やグラス(やたら沢山)、調理器具も甘美。いや完備。でもこれだけあったら生活的に甘美。しょっちゅうパスタを作るわたしも持っていないパスタ鍋(スパゲティを折らずに茹でられるアレ)まである。今までも海外暮しを経験している人なので「まず最初に揃えるべき道具は何か大体分かってる」らしいけど。...パスタ鍋はまず必要なものなんだね。うん。

で、昨日はこのパスタ鍋でコンキリエ(貝型のパスタ)を茹でて、長時間煮込んだトマトとシーフードのソースに絡めて振舞ってくれた。水を切ったパスタを入れた胴長のパスタ鍋にソースを空けてわっさわっさ絡め、そのままテーブルに持ってきて皆の皿に盛り分けたので、一同「配給だ配給だ」「給食のおじさんだ」と受ける。シンプルなレシピだけどぐつぐつぐつぐつぐつぐつぐつぐつひたすら煮込んだ甲斐あって大変美味でした。彼の日本人の友人Kさんが作った前菜のサラダは、セロリ、レタス、胡瓜など生野菜と軽く茹でたアスパラガス、ブロッコリにカニ蒲鉾、オリーヴ油で軽く半熟にしたかき卵を散らして、最後にスライスしたトマトに粉パルメザンチーズとオレガノを振ったのを載せ、仕上げにオリーヴ油+バルサミコ酢+塩胡椒のドレッシングを振った、生野菜に温野菜にチーズに卵まで取れちゃう見目も綺麗なボリュームサラダ。これが卵があるとないとじゃ全く違うと思う。優しい味になるだけでなく、半熟状態なのでドレッシングと混ざって半分ソースのようになるんだね。Kさんによると、卵が入ると野菜だけよりも胃に優しいのだとか。これもレシピはシンプルながら絶品でした。

わたしは集まった人の半数以上と初体面だったものの、とても気さくで話題の豊富な方ばかりだったので大変楽しゅうございました。家が遠い数名はそのまま泊まることになっていたが、帰れる距離(だが都心じゃないので早めに出る必要がある)のわたしはパスタを頂いたところで制限時間がきたので、「えーこの後アイスクリームがあるんだよ〜」とSに言われつつお暇してきた。だってパスタが出た時点で夜11時近かったし。スペインですかあなたの部屋は>S。まあパスタは「よく食べますね!」と感心されながらお代わりしてきたわけだけど。サラダがボリュームあったので男性でもそれなりにお腹が満ちて、その後にてんこ盛りパスタひと皿は結構大変だった模様。や、わたしもお代わりしたら帰宅途上で少し「お腹一杯だな...」と思ったけど、おいしかったんだもーん。

そんなわけで、友人Sのアーバンライフは素敵においしく開始された模様。いつでも気軽に立ち寄ってよと言われたので本当に気軽に行っちゃうぞ。...しかし予定通り年末に引き払うとしたらどう処分するんだろうか、あの家具とか食器とか鍋類とか鉢植えとか。


ちなみに今回、夕方6時頃に行く予定だったのが大幅に遅刻してしまった。もともと待ち合わせではなく自宅訪問なので6時少し過ぎに着くのが妥当だろう、とそこから逆算した時間に自宅を出たら、せいぜい15分くらいで済むと思っていた駅の花屋さんでえらいこと時間を食いました...ちょっとプロっぽい雰囲気だぞ、と男性の店員さんを捕まえて花束を作って貰ったところ、プロっぽすぎてありとあらゆる提案&小技を見せられ、「シンプルな花束」ができるまでにとんでもない時間が。カラー数本とドラセナの葉っぱ数枚組み合わせるだけなのに半時間以上かかるってどういうこと。親切ではあるんだけどさ。こんなアレンジもできますよ!こうするとインパクトありますよ!リボンは何色にしますか?とか次々披露して下さるのを「いえ、シンプルなのが好きなので」「リボンはなくていいです」「くどいようですがシンプルにお願いします」と言い続けた自分はつまらん客かも知れない。教訓:花屋に寄るなら+一時間見て家を出ること...ですか?

更にちなみに、今回ピンクのカラーを持って行ったのだが、Sによるともともとドイツではカラーはよく葬儀に使われる花なのだそうな。実は最初百合系の花一本に葉っぱ類のアレンジでもいいかも、と思ったのを「それじゃお葬式の花みたいだな。日本ならお彼岸用の菊をプレゼントするようなものか」と気づいて止めたのだが、カラーもそうでしたか。Sは僕はカラー好きだから気にしないし色合いが凄くイイ!包装に使った渋い色の和紙も好きだから取っておく!と喜んでくれたのだが、気にする人もいるかも知れないので忘れないようここにメモしておこうと。そしてそんなSはもともと花が飾ってあったダイニングテーブルにそのカラーの花束を飾ってくれたのだが、カラーのためにどけた花瓶には白いポンポン菊がわさわさ飾ってあったのだった。東西葬式花競演。