スティングでしたその32011/01/21 16:47


スティング御一行様は今頃は既に南半球に飛び立った後であろうなあと思いつつ、スティング武道館公演話続行。写真は今回のパンフレット(サイン入り)と、ご一緒したのりたまさんに頂いたかりんとう。いやなんか一緒に出して置いておいたら違和感なかったのと、全体の写真をそのまま載せちゃうのも色々よろしくなさそうなのでこれくらいなら大丈夫かなと。パンフレットはサイン入りだと通常版の倍額というのに吃驚。普通なら直接本人からサインしてもらったわけじゃないしなくてもいいかー、と思うんだけど、スティングのサインて字体がかわゆくて好きなのと、目の前の渋い写真+にこにこ顔付きサインの妙なバランスの良さに抗えず思わず入った方を買ってしまったよ。料金の半分は熱帯雨林の保護活動に使われる(かも知れない)と思っておきます。

ステージ全体の印象というか雑感はその2でつらつら書いた通りだけども、どうしても強調して書いておかねばならない人がもう一人。18日付の一言でも触れた『マエストロ』つまりオーケストラの指揮者ですが。何というかですね、その、   指揮者って歌って踊ってもいいんだ!  と目から鱗が各一ダースくらい落ちました。あんなにアクションの激しい指揮者は初めて見た。いや腕の振りが大きいとか髪を振り乱す指揮者は別に珍しくないけど、ほとんど同じ場所に留まってないと言うか何でそんなにフットワーク軽いんだと言うかあんたはオーバーアクションな魔法使いかスパイダーマンか何かかと言うかちょっと落ち着けと言うかいや面白いからいいかなと言うか。ちなみにこんな人です。

Steven Mercurio公式サイト

ご覧の通り細身の男前な方です。随分若く見えるなと思ったけどサイトの記述によると52歳だそう。このいけめんな指揮者がスティングの背後で跳んだり跳ねたり...までは行かないけどほとんど一歩手前くらいな勢いで超アクティブな指揮を繰り広げるわけですよ。踊ってるとも言えなくはない(のりたまさん曰く:「盆踊r(略)...」)。ステージ上部にスクリーンが3つ設置してあって、ステージ上の様子や曲に合わせたビデオ映像を写し出すのだが、歌っているスティングの正面像が映ると後ろで腕が縦横無尽に動いてて、二人羽織か千手観音かと。座席が前だったしスクリーンを見なくても十分直接顔が見える距離なので、スティングが歌っている時は当然そっちに意識が集中するものの、ふと気がつくと後ろでマエストロが指先からなんか出してるんじゃないかみたいな愉快なパフォーマンスをしていて思わず吹き出したのも一度二度ではなかったことよ。スティングと背中合わせの配置のため定位置にいれば表情は見えないのだが、曲が盛り上がった際に横を向いたマエストロはどう見ても一緒に歌ってたと思う。普通にクラシック音楽やオペラも指揮して既に地位を確立している人らしいけど、オペラの時はさすがに踊ったり一緒に歌ったりはしない です  よね   ?

最前から書いている「マエストロ」というのも謎。Symphonicityのワールド・ツアーが決まった当初から常に「指揮者は三大テノールやアンドレア・ボチェッリとも共演したMaestro Steven Mercurio」と書かれていたので、名字からするとイタリア人ぽいし、イタリアでの肩書きとか称号か何かなんだろうか(母国や業界に貢献した人に贈られる英国のSir的な)、と何となく思っていたのだが、どこを見ても「Maestroとは何ぞや」という言及がない。バイオグラフィによるとイタリア人ではあるけどネイティヴのニューヨーカーらしい(つまりイタリア系米国人か)ので、名前は英語風にスティーヴン・マーキュリオでいいのかな...と思いつつ、やっぱりマエストロって何。まさか自分で「名指揮者マーキュリオです」て言ってるわけじゃないだろうし。イタリア語だとmaestro di cappellaで「聖歌隊指揮者」とか 、普通に指揮者や作曲家の敬称として使うようなのでそれかな。でも紹介文なんかで毎回一々大文字で「Maestro Mercurio」と書いてあるというのは何か意味があるんじゃないかと思うし、英語圏でMaestroと言われるとやっぱりなんか名匠とか大作曲家とかのイメージがあるんだけど。と思いながら公式サイトのnews頁を見たら、マエストロ自身が書いた近況(含スティングとのツアーに関する報告)の最後に「親愛なるマエストロマンより(yours, Maestroman)」という署名(?)が。   自分で言っとる。   ますます分からなくなって何気なくオンライン辞書でmaestroを検索してみたら、  「Maestro:人名」       そんな名前の人いるんかい。...もしかしてフルネームがマエストロ・スティーヴン・マーキュリオさんですか。

結局マエストロの謎はそのままだけど、まあ彼の凄さは十分に分かっていただけたと思うので(そう?)それはそれとして武道館公演話に戻る。前述の通り今回もスティング仲間の友人のりたまさんとご一緒したのだが、最近スティングを含むいわゆる'70s'80s音楽を聴き始めたというのりたまさんの息子さんS君も新たに加わった2世代コンサート行(?)。こういうのは嬉しいです。S君には数年前にも一度お会いしているのだが、背丈が当時の二倍(注:個人の印象です)の男前さんになっていて吃驚しちゃったじゃないですか。ファンクラブメンバー向け先行予約のお陰で個人的武道館コンサート史上で多分最良の席が取れたのだが、会場に入る時は結構普通に20代↑くらいからの世代も多いなと思っていたら、このアリーナ最前部ブロックは歴史を感じさせる独特の雰囲気であったよ。何と言うか、のりたまさんやわたし(同い年)もまだまだひよっこだなあ...て感じの人生の先輩方がずらりと。その中で2,3列前の隣のブロックにやはり親子連れらしい男の子がいて、S君が仲間だーとお喜びでした。親子で同じコンサートを楽しめるって素晴らしい。

それから、スティングのツアーには必ず同行するギタリストのドミニク・ミラーにも言及せねばなりません。なぜならわたしがドミニク好きだからです。通常のツアーには必ず同行するけど趣向が違った前回2008年の『Labyrinth』ツアーでは来日しなかったので、久し振りにスティングと並んで舞台に立つドミニクが見られて嬉しゅうございました。少し前に書いた通りやっぱりいつの間にかえらい渋くなってたけど。しかしいつも演奏する時は俯いてひたすら黙々と弾くスタイルの人なので(初めて映像を見た"If I Ever Lose My Faith"のプロモーションビデオでもほとんどちゃんと顔が見えなかった)、髪に隠れてる間に年輪が増えたのかも。←何だそれは。いつもパンフレットにドミニク自身のアルバムの広告も載っているので買いたいなーと思いつつも店になかったり忘れたりでずっと買わずじまいになっていたのだが、今回もツアーグッズと一緒に売られていたらしい彼の最新CDは開場から半時間の時点で「本日分売り切れ」になっていて残念。やっぱり彼のファンも結構いるのかな。パンフレットの中の彼の紹介文によると、スティングはドミニクのことを「僕の右手そして左手」と言ったそうな。...そいじゃあなたは何するんですか>スティング。歌うのか。

ドミニクの公式サイトはこちら。
Official Site of Dominic Miller

彼はTwitterも頻繁に更新しているようだけど、さっき覗いたら丁度4分前に「ありがとう日本!また戻って来るよ!」というツィートが。日本のステージを楽しんでくれたようで良かった良かった。また戻っておいでー。
またもや長くなったのでもう少し次に続く。


スティングでした補足2011/01/21 23:58


スティングとは全然関係ないけど昨日浅草に行ったので記録写真的にスカイツリーを。スティング御一行様も東京滞在中は眺めたかも知れないよ、ということで。ちょっと苦しいですか。


とーても楽しんだスティングの日本武道館公演で、一つだけ不愉快だったこと。と言ってもわたし自身はぼーっとしてて後から腹が立ったという話だけれども。スティングやツアーメンバーには直接関係ないですけどね。

コンサートの終盤にアンコールの演奏が始まると、それまでは立ち上がってイエーとかやってなかったそれなりの年輩の人だって立って盛り上がりたくなる(だろう)し、手を挙げて拍手することで多少視界が遮られてもいちいち文句言ったりする人は普通いない(と思う)。むしろ皆でわーっと立ち上がる一体感もライヴの醍醐味だし、それは全く問題ないのだが、何度目かのアンコール演奏後にメンバーがステージ前に出てきた時、わたしの2,3列前の女性がいきなり首に掛けていたスカーフと言うかどう見ても手拭い?を自分の頭の上に、ステージに向かって柄を見せるような感じに両手で広げた。位置的にはわたしのほぼ真ん前(正確には一つ右かな)な上に、それをやられると丁度ステージ上の人たちの顔の位置が隠れる形になるので正直やめて、と思った。見た感じ中年の人のようで、ステージとの距離も近いし興奮してやっちゃったのかなーとは思ったが、その後また同じことをやられた、しかもスティングがちょうど真ん前に来た時(だからやったのか)にびしっと張った手拭いを左右に動かされたりしたので、勘弁してくれと思った。わたしの隣の席の女性二人連れ(わたしと同年代か少し上くらい?)もさすがにむっとしたらしく「ちょっと...」「下げて!」と言う声が聞こえた。本人に届くような大きな声じゃなかったけども。

二度とも多分それぞれ十秒足らずくらいの間だったし、迷惑には変わりないけど嬉しくて周りが見えなくなっちゃったのかね...くらいに思いつつ最後のアンコールまで観終わり、そんな困ったさんのことも忘れてコンサート良かった!と言いつつのりたまさん&S君と会場を出た。出口脇に「カメラ返却口」とか書かれた窓口があったので、入場時に「録音機器やカメラは使わないで下さいね」と言われただけで荷物検査も何もされなかったけど、自分から預けた人なんかもいるのかな?わたしも普段から持ち歩いているデジタルカメラがあるけど、当然使うつもりもなかったし持ってることも忘れたまま入っちゃったけど、というようなことを言ったら、のりたまさんとS君がデジカメで写真撮ってた人がいた!と発言。ええー?と詳しく聞いたところ、堂々とカメラを出して何度もステージを撮影していたとか。のりたまさんによると3回は撮っていたそう。どこにそんな人がいたんだろうか、S君が通路脇、その右隣がのりたまさん、更に右にわたしの席順だったので、通路の方の人?と思いつつ、手拭い広げてちょっと迷惑な人はいたけど、カメラは気づかなかった、と言ったら

「そうそうその人!!」

ゑっ。  びっくりして手拭いの柄などを確認したところ、確かに同一人物でした。どうやら夫婦で来ていた人たちらしく、その奥さんがカメラを出した途端あのブロックの人たちが「えっ!」と一斉にその方向を見た、彼女が撮っている間周囲は異様な雰囲気だったとのこと。その行動は手拭いの一件よりも前だったため、写真撮影を止めたと思ったら今度は手拭いで視界を遮られた人々は「いい加減にしろ」状態だったらしい。どう考えてもわたしもその「人々」と同じエリアにいたのに全然気づきませんでした...しかしこれで「ちょっと迷惑な人」が一気に「大顰蹙の非常識な人」に。入場口では間違いなく「撮影や録音はダメ」と言われたはずだし、開演前の場内放送でも確か同じことを言っていたはず。それ以前にコンサートの撮影や録音は禁止、くらい今どき誰だって一般常識として知っている...と思う。あれだけ前の席を取っていたし、曲にも普通に周りと一緒に手拍子して盛り上がっていた(多分)から、それなりのスティングのファンだと思うのだが、まさかあれが生まれて初めてのコンサートでスティングを間近に見てもう前後の見境なくなっちゃった!てこともなかろうよ。大体何度も同じ行動を繰返してるわけだし。隣のご主人もなぜ止めない。堂々と複数回やっているのに注意に来ない係員の人もしっかりして欲しいと思うけども。

と言うわけで、1月18日のスティングの日本武道館公演、アリーナ席からデジタルカメラでステージの写真を撮り、鯉の柄の手拭いを頭上に広げていた方、恥を知って下さい。分別があるはずの大人の非常識な行動を目の当たりにした十代の少年が大変憤っていました。手拭いはともかく(迷惑ですが)、写真撮影は完全に会場の規則に反しています。そしてご主人、すぐ隣で写真を撮っているのに気づかないはずはないと思います。奥様を止めて下さい。

しかし、目の前でそれだけ堂々と禁止行為をされてたのにまっっったく気づかなかった自分が一番どうなのか、と正直思ったりするわけですが。本当に全然見た記憶がない。無意識に視界に入ってても結構映像として記憶してたりする方(後で言われるとそう言えば見たな、とか)だと思ってたんですが。何見てたんだろうか自分。スティングか。  いやドミニクとかマエストロかも知れないけど。