flying...sheep.2004/08/25 22:39


やっと観て参りました、はりぽた「アズカバンの衆人」いや「囚人」。はっはっは。内容の詳細を書くとまだご覧になっていない方が面白くないと思うので割愛して、全体の印象としては英語で言えば"very cleverly done"というところかと。前二作を監督したクリス・コロンバスは今回プロデューサーとして参加したようで、監督が交替したことによる作品の色合いの変化は確実に見えるし、展開がかなり早いということはあるが、一作の映画として(原作を読まずに映画シリーズだけ観ている人のことも考えあわせて)非常に分かりやすくまとまっていたと思う。前二作でも感じた「よくここまでまとめたこと」という印象は原作自体が更に長くなっているのでなおさら強い。...まあ自分が原作を読んだのはもう相当前でかなり細部を忘れている、というのもあるわけだが。これから四作目、五作目とますます原作が長くなっていくので、比例して映画にまとめる難しさも大きくなるのだろうなあ。映像的にはまあ当然のごとく使うor使わざるを得ないCGや特殊効果より、山や森や湖などの自然がたっぷり出てきたのが嬉しかった。

出演者に関しては、主役の三人は確実に役をものにしているなぁと感じた。原作者のロウリングの人物造型と描写が優れていて、それを制作者がしっかり汲み取っているのもあるだろうが、この年頃の少年少女の心理とか感情をとても自然に「演じて」いると思う。実際に三人ともその年代なのだから当たり前と言えばそうなのかも知れないが、役と同じ年代だからこそ今現在自分が通り過ぎようとしている年齢の等身大の姿を「演じる」というのは実はかなり難しいことではなかろうか、などとも思ったりするのだ。他のレギュラー陣では故リチャード・ハリスのダンブルドアを引継いだマイケル・ガンボンがなかなかいいぞ、とかフレッド&ジョージ・ウィーズリィがおいおいちょっとイイオトコになってきたぞ、とかスネイプ教授相変わらず嫌味ったらしくて素敵!とか色々色々...いわゆるゲスト(?)陣の配役などについては今回公式サイトもほとんど覗かず「○○が出るらしい」程度の情報しか聞いていなかったし、またあえてそういう情報に注意を払わないようにして観るまでのお楽しみにしていたのもあるのだが、えーとトレロウニー教授は結構色んな意味で笑えましたな。ぷくく。豪華な俳優陣を揃えただけでなく、その演技が「浪費されず」非常にいい形で出ているというのが何より贅沢な映画だと思う。

これから観に行かれる方に一言。エンド・タイトルがなかなか楽しいのでお見逃しなく。どれも同じだと油断していると細部が結構凝ってるんだなこれが。


ところで発作的にどうしても観たくなって「モンティ・パイソン」のDVDを買ってしまった。何年か前に実家に持って帰ったベスト版のビデオは未だに途中までしか観ていないし、そうだ今ならDVDを買えばすぐ観られるじゃないか!と最近気付いて(遅い)昨日Flying Circusの1を買ってきた。一枚の値段が結構張るのだが、ヨドバシカメラのポイントがちょっと貯まっていたので普通の映画DVDよりやや安い程度の出費で購入。 ... いや、もう、ほんと。大好きだモンティ・パイソン。空飛ぶひつじLOVE。

今度は2004/08/27 22:40


はりぽたで勢いづいたわけではないが、これも今更ながらずっとTV脇で置物と化していた指輪映画「二つの塔」SEE(すごく延長してあるえらい豪華版)版を観た。二日掛けて観るつもりだったのだが、結局DVD二枚分続けて観て夜が開けてしまった。

一番楽しみにしていたのが劇場版では丸々カットされたボロミル(ア)のシーン(弟のファラミル(ア)の回想)。おお、満面笑顔で弟と杯を酌み交わすボロミ〜。父親に冷たくあしらわれる弟を気遣う優しさと国の未来を背負って立とうとする力強さ、指輪という人間の手には負えないものへの迷いがきちんと描かれていて、時間の関係で仕方ないとは言えこれをカットしたのは実に勿体ないなあと思う。メリーとピピンの場面や、ヘルム峡谷でのレゴラスとギムリの「競争」などもずっと増えていて嬉しかった。「旅の仲間」でもそうだったが劇場で上映された場面でも間間が細かく省略されていたり、後の場面との関係で台詞が微妙に変えてあったり(記憶違いでなければ)というのもあったようで、本当に隅々まで気を配っているのだろうなと改めて思う。カットされていた部分にはユーモラスな場面も多いので、その辺りを省略したためよりタイトで重い印象になる劇場版よりも、戦いや苦しい状況の中にもユーモアや言葉遊びのようなものをちりばめることで全体を生き生きとさせるトールキンの原作にむしろ近い雰囲気になっているような気がした。

とりあえずエオウィン、貴女はあとは料理さえ何とかすれば無敵の女性になれると思います。頑張れ。


お盆明けに東急ハンズで買ったM&Wのシャンプーとコンディショナー、何日か使ったのだがどうも髪がもったりばっさりした感じなのと、使い始めた途端ヘアブラシが白い粉を吹いたような状態になってきたので(石鹸成分が付いてる?)結局もと使っていたヴィダルおじさんのシャンプー&コンディショナーに戻した。元々やや敏感肌?のせいかここ数年額や顔に前髪の短い毛が触っただけで何となくむずむずするのが気になっていて、もしかしてシャンプー関係のせいもあるのかもと思っていたので、変えてみてむずむずが治まるようならこれでいってみようかなと考えていたのだが、それ以前に髪質に合わないのではどうしようもない。まあ正直なところ、M&Wだとだいぶ高めになるのでちょっとほっとしたような残念なような。でも何となく、いつもの床屋さんから浮気して小洒落た美容室に行ってみたけど結局雰囲気に馴染めずもとの床屋さんにすごすご戻ったようなうら悲しさがそこはかとなく...

お出かけ2004/08/29 22:44


今日は国際展示場で開かれたコミティアに行って参りました。毎回ふらふらと遊びに(と言うか邪魔しにと言うか)行っているだけの人に優しくして下さる皆さんありがとうございます。今日も雨だけど涼しくて良かったー、...と思ったらコンクリート張りの会場は非常に蒸し暑かった。一日雨だったにもかかわらず結構人出があった模様。別の会場でやっていたやはり漫画関係の催し物?の方がかなり大規模だったらしく、そちらから流れた人も結構あったようだ。しかし毎回思うが、これだけの規模の催し物を定期的に開くというのは大変だろうなあ。参加しているサークルの数も物凄いし、一般客の数はもっと凄いし、常に不測の事態というものはあり得るだろうし。かなり昔から行われているらしいので主催者さんも経験に経験を積み重ねているのだろうが、お疲れさまでございます。

オリンピックも終盤、決勝だけは観ようと思っていた新体操を観戦。ほぼ初めて民放TVで(地上波ではここでしか放送がなかったようなので)観たのだが...あらかじめ番組表を見たときには順番的に一番先になっていたので番組が始まった午後9時過ぎにTVをつけたところ、別の種目、しかも試合そのものの中継よりも種目に出ている日本選手の経歴&辛く苦しい練習風景&地元で集まって応援を盛り上げるご近所の皆さんの映像etc(高校野球?)....を延々とやっている。正直興味のない種目だったのであまりよく見ていなかったため試合自体が生中継なのかはっきり分からないが(多分生だと思うが)、現地で試合が始まるまでの時間待ちのための番組構成ならむしろその時間にやっている別の種目等を放送できないのだろうか、と思ったり。で、そのうちようやく新体操が始まったのだが、...フープ(輪)、ボール、棍棒、リボンの4種目のうちこの時点で既に一種目目のフープは綺麗さっぱり終わっているではないか。

民放の放送なのでCMが不粋にぶつぶつ入ってきて、CM後は次の演技者の最後の数秒間の演技だけいきなり流すという物凄い放送の仕方は250歩譲って眼をつぶる振りをするとしても、二種目目のボールはなぜか(ぶつ切り演技の分も含めて)ほんの4,5人分程度?しか流さずにいきなり日本側(?)のスタジオの映像に切り替わり、のんびりしたコメント&キャスターの「いやー私も昔道具を触らせてもらったことがあって云々皆さん大変ですね云々〜」いらない。激しくいらない。そんな話どうでもいいから今演技中の会場を映せばよかろう。例え次の種目に移るインターバルの時間だとしても会場を映した方が余程番組としての統一感が保てる。CMや「スタジオにお返ししている」最中でも実況・解説は続いているようなので、衛星放送など他の局では通して放送されているということなのだろうか。とどめに全ての種目が終わって順位も決まり、互いに抱き合って喜ぶロシアの二選手の映像&実況をぶっつり断ち切って「さあ次は完全保存版、日本選手のメダル獲得場面総まとめ...」

                 いらんて。

あの番組を見ていて、「新体操面白かった!満足!」と思った視聴者は一体どれくらいいたのだろうか。というかそもそもいたのだろうか。あんなとんでもない放送の仕方をするくらいなら、生放送にこだわらず録画で放送時間をずらせばきちんと全部見せた上でCMも適当な間隔で入れられるだろう。それともどうせ日本人選手が残っていない競技は流しっぱなしにしていつ断ち切っても構わない、わざわざ録画して他の時間帯に放送するほどの価値はないということなのだろうか(これまでの経緯からかなり卑屈になってますが)。とりあえず観たかった競技は大体見たし、最後の閉会式はNHKなのでまさかストレスなく観られると思いたい。...多分。

そんなこんなで2004/08/31 22:49


無事終了したアテネオリンピック、閉会式を観た。開会式と繋がりを持たせつつより賑やかで楽しく、歌と踊り満載でとても楽しめた(解説のアナウンサーは一人で充分だと思ったが)。開会式ではスタジアムの中心を海に見立てて水を張っていたが、今度は渦巻き文様の麦畑。この渦巻きのモチーフというのはギリシャでは重要な意味があるらしい。たまたましばらく前に知人に連れられて横浜の元町にあるギリシャ・ジュエリーの店に行った時、多くの商品がこの渦巻き文様をモチーフにしていたので不思議に思って店員さんに聞いてみたところ、ギリシャにある何とかいう河の源泉を表していて、生命の源というような意味がある...とかいう話だったと思う(NHKで中継されていた時にアナウンサーがしていた説明はちょっと違っていたようだし、自分もはっきり憶えていないのでもしかしたら記憶違いをしているかも知れないが)。

元々ケルト美術でも渦巻き文様というのはよく出てくるのでギリシャでも似たモチーフがあるのか、と興味をひかれて聞いてみたのだが、ケルトの渦巻きも自然界の営みや生命の神秘を象徴していると考えられているので、文化が違っても思想や象徴とされるものに色々共通点が見られるのは面白いと思う。そういえば体操のガラで出場選手の演技の合間の子供達の演技でも繰返し渦巻きのような水のさざ波のような照明効果が使われていたが、あれももしかするとこの渦巻きを意識していたのかな、などとも思ったり。開会式は海=生命の源、閉会式は麦畑=生命の源から発した自然の営みの結果の収穫・人間の生きる糧、とも考えられるかも知れない。出演者が古代風の扮装の人達と現代風の人達が混ざりあっていたのも面白かった。

ギリシャは歴史的経緯から今でも隣国トルコとは仲がよくない(政治的にだけでなく民衆の意識的に相当根深い嫌悪感があるらしい)が、伝統的音楽や踊りには自分が思っていたよりかなりトルコ的な要素も混ざっているようなのも興味深かった。ギリシャの人気歌手達もたくさん出てきて、わたしでも名前を耳にしたことのある人も一人二人いた。これまでギリシャ音楽も面白そうだと思いながらも全く知識がないので手を出しかねていたが、今度一枚買ってみようかな。オリンピックの後ならCD店でも「閉会式で歌った○○」とか書いてくれているかも知れないし。

観ている間にふと思い出したのだが、ギリシャ出身の世界的ミュージシャンといえばヴァンゲリス。オリンピックを題材にした名作映画「炎のランナー」(Chariots of Fire)の音楽も担当しているし、これだけギリシャの音楽を前面に押し出しているなら彼もどこかに出てきてもいいかも...と思ったのだが、結局最後までヴァンゲリスの登場はなくてちょっと残念。まあ開会式ならともかく、閉会式のあの雰囲気だとヴァンゲリスの音楽はちょっと合わないかも知れない。...そういえば開会式は最初と最後を見逃したが、そっちにも出ていなかったのだろうか。でもちょっと海外のヴァンゲリス関連サイトを回ってみたがどこにもそれらしい話は載っていないので、やはり今回のオリンピックには関係していなかったのかな。

ともあれ、放送の仕方などに色々不満はあったものの結果的にこれだけ色々観たのはずいぶん久し振りだった今回のオリンピック。日本選手もこれまでになく活躍したようだし、また四年後に期待...かな。

それにしても閉会の辞を述べたアンゲロプロス組織委員会会長、白いブラウスにピンクのパンタロン(?)がかっこいいこと。ロゲIOC会長が完全にエスコート役になってましたが。